今月のあとがき

8月15日、人権を考える。

2019年8月15日。

今年で、74回目の終戦記念日を迎える。

終わることのない、永遠の平和への祈り。

近年、これまで語られてこなかった戦時中の出来事を語り継ごうとする動きが各所で起こっている。今朝、NHK『おはよう日本』(AM4:30~)では、「疎開保育園」の史実を伝えようとする東京福祉大学講師の西脇二葉さんの活動が取り上げられていた。その中で西脇さんは、疎開保育園をつくり園児を受け入れた埼玉県蓮田市で開催された市民の会の講演会を訪れる。市民からは「当時は村民が園児の受け入れに反対した」ことや「祖父が作物を園児に提供したことで村八分にされた」など、さまざまな証言が挙がる。ただでさえ戦争で食糧が不足し子どもたちを救ってあげたくてもできない現実と、その状況をなんとか打ち破って子どもたちのために保育園をつくった人々。ギリギリの状況で行なわれた疎開保育園については「口をつぐめ」と言われ、現在まであまり語られてこなかった。

 西脇さんは「だからこそ伝えないと、戦争の悲惨さは本当に伝わってこない。」と口にする。戦争を経験した人々は高齢になり、話を聞ける機会は徐々に減ってゆくのだ。

この時代に接し、思うことがある。戦争を経験した方一人ひとりの語る“言葉”は、その人自身の戦争の経験であり、他のだれにも語ることのできない歴史なのだ。そしてその“言葉”は誰かによって否定されたり、封じられたりしてはならないものなのだ、と。

韓国と日本の間では徴用工問題や慰安婦問題を巡り、経済報復のような応酬が行なわれている。政府の対立もさることながら、韓国では反日本政府デモが行なわれ、日本のネット上でも一部で過激な韓国批判が盛んだ。私やあなたが、両政府の対応や外交の歴史を見て思うところはさまざまにあるだろう。考えを持ち、発言することは自由だ。権利だ。

しかし、ひと呼吸、考えて欲しい。

戦争は、国民一人ひとりの人権が損なわれた歴史なのだということを。

それに向けたたった一つの軽い発言は、誰かの苦しい歴史にさらに傷を付けることになるということを。

世界の誰も、これ以上傷つけないために。

今日という日は、戦争の時代に失われた人権について思いを馳せ、今ある人権に感謝して、あたたかい気持ちで未来の人権を考えたい。

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